カード会社の寡占化が始まった

カード会社の寡占化が始まった

クレディセゾンの林野宏社長は、日本のクレジットカード業界は米国より10年ほど遅れていて、米国の動きをみればだいたいの予測はできる、という前提のもとに日本もメガバンクによるクレジットカード業界における寡占化か進むと予言していた。

 

その根拠になったのが米国の汎用カードにおける、イシュア別債権残高シェアの動向を年度毎に比べたものだが、1990年末ではトップはシティバンク、2位はディスカバー、五位MBNA、以下アメックス、ファーストUSA、ファーストシカゴ、AT&Tユニバーサル、ハウスホールド、チェース、ケミカルの上位9社で過半数を占めていた。

 

ところが、03年末になると、JPモルガンーチェース、シティグループ、MBNA、アメックスの上位4社で56.6%という過半数のシェアを占めるようになった。そして、今ではシティグループ、JPモルガンチェース、それにバンクオブアメリカのメガバンクの3社で過半数を占めるまでになっている。これを根拠に日本でもメガバンクを中心とした再編が進み、寡占化か目立つようになると予言していたわけだ。実際にそのとおり、日本でも現在は三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、それにJCBの4社で60%のシェアを占めるまでになった。絵に描いたように米国の後追いをしており、メガバンクの寡占化か急速に進んでいるのだ。

寡占化を進めるそれぞれの思惑

この寡占化の理由は、カード会社から見ると四つある。

 

@システム投資に莫大な経費がかかるので、その負担をメガバンクに期待している。
A債権回収、ファイナンスで銀行の協力を期待している。

B加盟店手数料の引き下げで収益確保が難しくなったので、財政的な援助を銀行に期待している。
C最近の改正貸金業法の成立で財政基盤が弱くなったために、一層メガバンク頼りの傾向を強めている。

 

一方、メガバンクはホールセールに行き詰まっており、リテール(クレジットカード、消費者金融)に活路を見いたそうと積極的にカード会社の買収に乗り出している。その結果、従来の銀行系、信販系、流通系といった枠組みが崩れ、メガバンク系とその他に分れ始めたといってよいだろう。

 

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最終段階を迎えた業界再編

して、07年9月20日にはこの再編劇の最終段階が訪れた。信販業界の雄であるニコスの解体が始まったのだ。三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、過払い金返還で業績の下方修正を迫られる三菱UFJニコスに対して、第三者割当増資を引き受けるかわりに、その上場を廃止し完全子会社化すると発表した。同時にニコスの信販部門をジャックスに譲渡し、さらにニコスの従業員6600人の4割に当たる2890人を今後3年かけて削減する。「いよいよ、MUFGのニコス(旧日本信販)解体が始まった」という声が高まっている。

 

クレジット業界はここ4〜5年、3大メガバンクを軸とした「規模の拡大」競争が進んだ。MUFGは最も多くのカード会社を抱え、整理・統合に苦心してきたが、結局は自らの色を強く打ち出した体制作りに踏み切った。ニコスの口座数と総取扱高だけを吸収し、従業員は半分に減らして居抜きで取り込む策を取ったのだ。いずれ、「ニコス」の名前も消えるという。日本のクレジット業界を引っ張ってきた老舗が消滅するわけで、予想されていたこととは言え、残念でならない。